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給与明細の読み方2 保険について

給与・給与計算

給与明細の読み方2 保険について

給与明細を見た時に、残業手当や休日手当などは理解できても、雇用保険など保険に関する項目は良く分からないという人が多くいます。

会社で働いているからには、誰もが保険料を徴収されることになるのですが、しっかりと把握していないと知らぬ間に給与から引かれているということにもなります。

雇用保険とは?

どこかの会社に就職したり転職をする際には、必ず雇用保険に加入します。
これにより、毎月給料から一定額の保険料を差し引かれてしまいますが、仮にその会社を辞めるとなった時には、支払った金額に応じて一定額が失業保険として支給されます。(受給のためにはハローワークでの手続き等が必要です)

働いている間は、無駄な制度だと感じる人もいるかもしれませんが、実際に退職をして生活できるかどうか不安な時に受給できるのは心強いですよね。

また、再就職のためには、スーツを買い直したり説明会や面接のための移動にかかる交通費など何かと入り用です。支給されたお金でこれらを賄うことによって、再就職の準備を安心して行えます。

雇用保険の主な役割

  • 失業者の退職後の生活を支える
  • 再就職を促す

雇用保険の加入条件は?

給与明細を見ても、雇用保険料が差し引かれていない場合は、その加入条件をきちんと満たしていないということになります。

雇用保険の加入条件

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用が見込まれる
  • 学生でないこと

一方、派遣社員でも正規社員と変わらず問題なく加入が認められています。正社員に限らず、それがパートやアルバイト、派遣社員であっても、上記3つの条件を満たせば必ず加入しなければなりません。

給与明細を見て、基準をクリアしているにもかかわらず保険料が徴収されていなければ、確認をするようにしましょう。

離職した場合にもらえる給付金について

雇用保険を受け取れる期間を所定給付日数と言いますが、これは、被保険者であった期間である算定基礎期間によって異なります。

給付金額は、在職していた際の給与の約50パーセント〜80パーセントとされており、具体的にいくら支給されるのかは決められた計算式によって算出されます。
その計算式とは、離職前の6ヶ月間の給料額の合計を180で割るというものです。

180というのは、30日間に6ヶ月を掛けたものでこれが1日で受け取れる金額の総計なります。
中には、在職中にかなりの高給であったことから1日にもらえるお金も多いだろうと勘違いをする人も少なくありません。

しかし、在職中にどれだけ高い給料を受け取っていた人でも1日に支給される金額には上限があるということを頭に入れておかなければなりません。
29歳までの人であれば、1日の上限が6,815円に設定されており、最も受け取れる世代は45歳から59歳までで金額は8,335円となっています。
ちなみに手当の最低額は2,000円となっており、世代に関係なく受け取ることができます。

そのほかに受けられる雇用保険の給付

雇用保険と一口に言っても、様々な給付があります。

まず、育児休業給付です。
これは、育休を取得して仕事を一時的に離れる場合にその生活を保障するために一定額を支給するというものです。

女性が利用する制度だと思っている人もいるかもしれませんが、男性ももちろん利用できる制度であり、近年では男性が育休を取得するケースも増えてきています。

また、介護休業給付は、家族の介護で仕事を離れる人に支給されます。

教育訓練給付は、働いている人がさらなる能力開発を行ったり、教育訓練講座を受講した人に対してその費用の一部を支給するものです。
キャリアアップ支援や雇用の安定をサポートすることを主な目的としています。

最後に、高年齢雇用継続基本給付は、再雇用で働く人の給料が60歳の頃に比べて75パーセント未満になった場合に支給されます。
ただし、年金を受給しながら厚生年金保険に加入している人が高年齢雇用継続基本給付の制度を利用する場合は、在職による年金に支給が停止され、年金の一部が支給停止となります。

まとめ

雇用保険には様々な種類がありますが、給与明細には雇用保険料としか記載されません。なぜなら、仕事を辞めたり一時的に職場を離れて初めて支給されるものだからです。
場合によっては、申請が認められない可能性もありますので、事前に理解しておくようにしましょう。